こんにちは!扶養内作家おはぎです。
確定申告初心者の方にとって最大の難関!
棚卸の時期がやってきましたね。
仕事やアルバイトで経験がある方や聞いたことがある方も多いかと思います。
数を数える、大変な作業、とイメージされるかも多いかと思いますが、1年目にしっかり準備を行いを環境を整えておくと来年からとってもスムーズに作業できるようになります!
まずは棚卸の流れといった全体像を把握することから始めましょう!
この記事では、棚卸の準備から仕訳登録までの流れを説明します!
各作業の詳しいやり方などは各項目に記事リンクしておきますのでご参照くださいね^^
扶養内作家おはぎ(確定申告3年目・簿記2級所持)は
確定申告初心者の作家様に 以下をおすすめ しております
- 簿記基本知識のお勉強と
- 会計ソフト(マネーフォワードクラウド確定申告)の利用
正しい確定申告を行うため、会計の初歩的な知識 は、どの会計ソフトを使用する場合も必要です。
おはぎは普段より スタンダード で バランスの取れた MFクラウドを 使用し確定申告を行っています。
MFクラウドは年50件までの仕訳は無料で使えます。どの会計ソフトがいいか悩んでいる方は、
まずは無料登録で試してみてから決めるのがいいかと思います
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棚卸はなぜ必要なの?
仕事でも年1度のイベントとして在庫を数えたりしていましたが、そもそも棚卸はなぜ必要なのか考えたことはありますか?
もちろん決算仕訳で数字が必要になるから!ってのが本音ですが^^;
調べても小難しい用語で書いてあって分かりにくい・・・
ハンドメイド作家様に必要なところを簡単に説明しますので、さらっと確認しておきましょう!
利益を正確にするため
- 仕入れた材料で作った作品がいくら売れて、どれだけの材料があまっているのか。
- 作品の売上金額と使用した資材の金額の差額はどのくらいなのか。
棚卸をすることで在庫数を確定させ、売上に対してどれだけの材料を使ったのか原価を出して、利益を正確に把握する役割があります。
また、1年間ハンドメイドに使う材料を仕入として費用計上した中で、売上につながった材料のみが仕入(費用)となる為、まだ売れていない完成品の材料や未制作の資材は仕入ではなく、在庫として資産計上します。
制作がメインのハンドメイド作家だからこそ、1年の収支を見直すために正確な在庫数を把握することは大事です。
在庫数が適正かチェックするため
資材ってかわいくってついつい買いすぎてしまうのは私だけでしょうか…?
布山なんて言葉もあるくらいですから、資材買いすぎてしまって在庫が…なんて方は少なくないはずです。
棚卸で在庫数を確認することで、
- 売上に対して資材の仕入が多すぎないか
- まったく動いていない(売上につながっていない)不動在庫がないか
のチェックができます。
あ、これ買ったんだったという資材が出てくることもよくあるので、やはり日々の制作がメインとなる個人事業主ハンドメイド作家には必要な作業でしょう。
各パーツの1年で使った量が把握できるので、翌年の仕入数の参考にもなりますので、棚卸の数字から分かる情報をしっかりと運営に反映させましょう!
棚卸の仕訳に必要な項目を把握しよう
ショップ運営のために必要な作業なのは分かったけど、在庫の数を数えて「はい、終わり。」ではありません。
棚卸でわかった在庫の合計金額を決算仕訳に計上しなくてはなりません。
では具体的にどういった事柄が確定申告の仕訳において必要なのか説明します!
「材料」「仕掛品」「製品/商品」に分ける
商品の制作状況に分けてそれぞれ数え計上します。
完成品の集計に商品か製品どちらを使うかは、いろんな意見があります。
- ハンドメイド業は製造業なので材料/製品で棚卸するべき
- 小規模事業者なので商品でも問題ない
などなど。調べれば調べるほど、よく分からなくなりますよね。
税務署に質問の電話をしました!
「扶養内作家程度の収入であれば、材料/商品と分けて計上しなくてもいい。(もちろん分ける方が好ましい。)商品?製品?うーん。そうですねぇ…」
「どの程度の収入になれば材料/商品と分けて計上すべきなのか」
「明確な基準がない。税額に大きく影響がでるような所得ならば分けて計上すべき。」
とのことでした。
結論:小規模事業者のうちは自分の好きな方を使いましょう。どっちがいいかも分からないという方は、材料/製品にて棚卸するのがいいかと思います。
また、使用材料の計算や管理、振替仕訳など大変なので仕掛品は基本的には使わなくてすむように、
年末には作りかけのものが無いよう調整するか、仕掛品は材料に含むと決めて棚卸を行うなどしましょう。
金額が小さい問題に関しては臨機応変に対処しましょう
大事なのはルールを決め毎回それに沿った処理をすることです!
決算仕訳
期首材料(商品/製品)棚卸高 | 90,000 | 材料(商品/製品) | 90,000 |
材料(商品/製品) | 100,000 | 期末材料(商品/製品)棚卸高 | 100,000 |
このような仕訳を材料・製品/商品に分け計上します。
棚卸で必要になるのは2段目100,000といった数字です。
この数字は 材料の単価×数量 から導きだす数字で、各材料の単価×数量をすべて足した金額が期末材料棚卸高となります。
製品も同様に、(1つにつき使用したすべての材料の単価×数量の金額)×在庫数を計算した金額を期末製品棚卸高に計上します。
次に説明するステップ1の在庫管理表より単価を出し、棚卸で数量を数えることで期末棚卸高に必要な数字を計算することができるのです
棚卸の流れ
では実際にどういった流れで棚卸をおこなっていくのか見ていきましょう!
在庫管理表を用意・記帳しよう
時期:1月~12月
材料の単価を計算するための在庫管理表を作成し仕入をしたら記帳していきます。
ノートなどに手書きでもいいですが、エクセルなどで簡単な計算式を入れたものが、計算が楽になりますのでおススメです。
購入日・材料名・単価・数量は記録できるように制作しましょう。
棚卸後決算仕訳にて棚卸にて数えた材料の個数×単価を計上する為、単価が必要になります。
この単価は特に届出をしていない場合、最終仕入原価法にて求めます。
最終仕入原価法 とは 材料を最後に仕入れた時の単価を採用する という方法です。
最終仕入原価法とは、期中の最後の仕入額で評価をする方法です。
これらの評価方法は、どれでも管理しやすい方法を選択できますが、税務署に「棚卸資産の評価方法の届出」を提出していない場合は、必ず「最終仕入原価法」で評価します。これを法定評価方法といいます。
弥生:棚卸しとは?目的とやり方、勘定科目と仕訳方法
同じ材料でも時期によって仕入単価が変わるのはよくありますよね。
在庫管理表を記帳していくことで、レシート等を探したり仕入時の仕訳を確認せずとも、材料の最終仕入の際の単価が確認できます。
おはぎが実際に使っている在庫管理表の作り方を紹介していますのでぜひ参考にして下さいね♪
棚卸表を用意しよう
時期:12月
12月に入ったら月末の棚卸に向け、棚卸表を準備しましょう。
棚卸表とは棚卸の個数を数えるため、材料名・個数・単価・金額などが記入できるような表のことです。
棚卸表も、もちろん手書きでもいいのですが、エクセルなどで作って材料名は打ち込み個数欄は数えながら手書き記入できるような形にしたり、タブレット端末などで入力しながらできるような形がおすすめです。
来年も同じ材料を数えるようであれば、少しの手直しで使いまわせるようなフォームを作っておくことをおすすめします。
棚卸表もこちらで紹介している在庫管理表を活用できます
棚卸をおこなう
時期:12月末
月末になりましたら、材料と完成品に分けてそれぞれの棚卸を行います。
個数・グラム・メートル単位など材料によって数えやすい規格でそれぞれ数を数えていきます。
月末といっても12/31である必要はありません。大半の作家さんがクリスマスが終わり、子供たちや旦那さんが冬休みに入る前にオーダーストップして、年末年始は制作をお休みされる方が多いかと思います。
今年はこれ以上販売・製作はしないというタイミングで棚卸を行いましょう。
仮に棚卸後に急ぎの制作で材料を使用したとしても、少量ですので棚卸数量も手直ししやすいです。
また年始のオーダーが始まる前でも大丈夫ですが、何か在庫・仕入で大きなミスがあった場合に年内に対処できる方が安心できますよね。なので、私は年末の年を越す前に行うことをおすすめしております。
決算仕訳にて棚卸資産を計上する
時期:12/31
数を数え終わると、今度は数×単価の合計を棚卸資産として仕訳登録します。
単価はステップ1の在庫管理表より最終仕入単価を使用し、今年新たに仕入が無いが在庫としてある材料などについては昨年末棚卸で使用した単価を元に計算します。
期首材料(商品/製品)棚卸高 | 90,000 | 材料(商品/製品) | 90,000 |
材料(商品/製品) | 100,000 | 期末材料(商品/製品)棚卸高 | 100,000 |
おはぎが使用しているマネーフォワードクラウド確定申告では、仕訳を自分で登録しなくてはいけないのですが、freeeなどの会計ソフトでは棚卸金額を入力するだけで決算仕訳を自動登録してくれるようです!
まとめ
- 在庫管理表にて単価を管理する
- 棚卸表を準備する
- 材料/完成品に分け在庫を数える
- 棚卸資産として仕訳を計上する
どうでしょうか?
こうやって1つずつ目的を確認しながら流れを把握することで、漠然とした棚卸への不安感がなくなるかと思います。
もちろん大変な作業ではありますので気は重いですが、ハンドメイド作家として売上を上げていくためには必要不可欠な作業です。
売上が上がり取り扱う材料が多くなるほど税額に影響が出るようにもなりますので、売上・材料在庫が少ない内に環境を整え慣れておきましょう!
一度表のフォーマットを整えてしまえば、毎年少しの手直しですむようになります